プロフィール

山田真哉(やまだしんや)
公認会計士・税理士・作家。
一般財団法人芸能文化会計財団理事長。
1976年生まれ。
1日15〜20時間・1年間の猛勉強で公認会計士試験に合格。
『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』は、7カ月でミリオン達成。
その後、160万部を突破。
『女子大生会計士の事件簿』は、シリーズ累計100万部を達成。
著者累計350万部を突破。(2013年5月時点)
社外取締役や顧問として約40社の経営者に助言を行う。
出版以来9年ぶりとなる「さおだけ屋」のコミック版を12月発売予定。

著書

・『コミック版 さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』 ・『あいるさん、これは経費ですか? 東京芸能会計事務所』 ・『「手取り10万円台の俺でも安心するマネー話を4つください。」』
2014.11.18  第1回 100%を目指さない余裕が、ミリオンを作る? 2014.12.10  第2回 本も会計事務所も、まだないものを世に送り出す 2015.01.07  第3回 次に狙うミリオンヒットは、「税金」の世界がテーマ?

インテンシブな勉強が、コンサルタントを作る。

公認会計士・税理士・作家 山田真哉 Numzon運営 岩田恵実 Numzon運営 土生修平

ネットでお金を払わせることは難しい

アニメやゲームにもお詳しい山田さんですが、
お忙しいスケジュールの中でも、
アニメを見たり、ゲームをしたりされるんですか?

はい。
ただ、昔からそうなんですけど、ゲームをする時は、
攻略本を買ってからやるタイプではありますね。

そうなんですか!?
それはまた、どうしてですか?

無駄なことはしたくないからかな。

(笑)

でも、誰かがやったことを真似るというのは、
ネットコンテンツのマネタイズに通じるものがあるんですよ。
自分でマネタイズを考えるよりも、
誰かがやったことをすぐに真似た方がいいんです。

ゲームをする時、攻略本を読んで、
効率的にやるということですが、
ゲームに課金ってしますか?

課金で払ったことはないですね。
無課金だと、ゲームの進行上いろいろ制約はあるけど、
そういうゲームだと思ってやっています(笑)

(笑)

確かに、そういうゲームだと思い込めば、
制約も問題なくなるのかもしれませんね。

お金を払わないゲームだと思ってやっているんですよね。
ビジネスの観点から見ると、
重課金のプレイヤーは5万円以上払っていますから、
一般のプレイヤーは5000円くらいのものを
無料で遊べてるんですよね。

なるほど。

ゲームを30分くらいやっていると、ふと
何やっているんだろう?って、我に返るんです。
だから、無料だと楽な気持ちで遊べますね。

そうなんですね。

30分でやる楽しさと、3時間でやる楽しさって、
そんなに大きく変わらないです。
むしろ10分3回遊ぶほうがいいかもしれない。

ふむふむ。

それに、課金で払い始めると精神的に
やめられなくなりますよね。
やらないといけなくなる。
だから無料の方がいいですね。

一度課金すると、「遊ばないともったいない」という
プレッシャーがかかるのかもしれませんね。

そうですね。
一方、業者側の立場に立つと、
ネットでお金を払わせるって、本当に難しいなと思います。

では、本を書かれている山田さんにお聞きしたいんですが、
電子書籍でミリオンヒットはまだ難しいのでしょうか?

電子書籍でミリオンヒットは可能?

電子出版がもっとも進んでいる北欧の市場でも、
電子書籍のみでミリオンセラーを達成したのは
スリラー作家のジョン・ロック氏など、
超有名作家数名が知られているのみですね・・・

そうですね。
人にモノを買わせるには、3つのモノとの接触が
必要だと思います。

3つのモノとの接触、ですか?

はい。
例えば、ある商品をテレビ広告で見て、
電車の中吊り広告で見て、
そして店頭でその商品を実際に見て買う。
これが、今の購買行動の基本だと思います。

言われてみれば・・・!!

それをふまえてネットでモノを買わせるとなると・・・
リアルなしでネットだけだと難しい(笑)

(笑)

しかも、電子書籍は作家側にメリットが少ないんです。
例えば、紙で1500円で売っていた本なら、
電子版だと900円くらいで売らないといけないんですね。

そうなんですね・・・

電子書籍の価格のうち出版社の取り分が60%
作家はその中から20~25%なので
少ないと価格の12%ぐらいです。
だから、作家の利益は、印税率が上がっても
紙の本の7割くらいになってしまいます。

えっ・・・そうなんですか?

これは一例ですが、
以前、ニコニコ生放送で放送した内容を書籍化したものが、
紙で1027円、電子だと800円
です。
つまり、電子書籍というだけで、
紙の価格の8割の水準が求められます。

だから、ぼくは電子向けの書き下ろしは、
1冊しかやっていないんです。

せっかく書いた本の価格が、媒体の違いだけで
そこまで変わってしまうのはきびしい・・・。

ぼくが1冊だけ書き下ろした、
その電子の書籍は、定価300円なのですが、
だいたいいつも100円で売っていましたね(笑)

(笑)

これでは仮にアマゾンでずっと1位をとり続けたとしても、
10万ダウンロードされたとしても、
売上としてはたかが知れてしまいます。

本当ですね・・・。

でも、電子書籍も慣れ親しんでもらってから
フリーミアムの形で買ってもらうとか、
バズる広告を打つとか、
売る方法はほかにもあるはずなんですよね。
つまり、「もうひと押し」が必要です。

『さおだけ屋』の例でいうと、
はじめに新聞広告が目に留まり、
次にクチコミがあって、
最後はテレビでもとりあげられました。
『世界一受けたい授業』でとりあげられたことは
大きかったと思っています。

すごい!
新聞、クチコミ、テレビと、
きれいに「3つのモノとの接触」が揃っていますね!

最初の「新聞広告」での接触も重要です。
新聞の半五段にデビュー作
『女子大生会計士の事件簿』の広告を出した時は、
1回掲載するのに45万円ほどかかった記憶があります。
ちなみに、この広告費は自費でした。

そうだったんですね!

2つ目の接触として「クチコミ」は、
今はツイッターやフェイスブックなどの
ソーシャルメディアに置き換えるとわかりやすいですね。

最後の「テレビ」については、どのようにお考えですか?

テレビは、視聴率1%でも、100万人の人が見ますよね。
これまでは、1億人に向けてテレビでしゃべることで、
視聴率1%なら、100万人が知ることができました。
でも、今は変わってきているのではないでしょうか。

例えば、『サンデージャポン』や『ワイドナショー』で、
誰それがこういう話をしていたとか、
張本さんが○○選手に「喝!」を入れた、
なんていう話をツイッターやネットニュースで見て、
番組は見なくても満足するということはありませんか?

確かに、ありますね。

テレビは今でも情報の一次ソースとしては有効ですが、
コンテンツホルダーとしての立ち位置に
近くなってきていると・・・

そういう面も出てきていますね。

そうなんですね。

ミリオンは難しい。でも諦めているわけじゃない。

ところで、話は少し戻りますが・・・
次にミリオンセラーを狙うとすると、
どんなテーマを取り上げることになりそうですか?

(笑)

芸能界の会計とはお聞きしましたが・・・。
あの・・・企業秘密とは思いますが(笑)、
ぜひお聞きしたいです!

はい(笑)
さっきまで「今の時代、ミリオンは難しい」
という話をしてきましたが、
諦めているわけではありません。

ぜひ伺いたいです!

次に出す本は、
ミリオンを狙う前段階みたいな位置づけなのですが、
芸能界を舞台に、
それも、税金をテーマにした小説にしたいと思っています。

出た!

税金をテーマにしたミリオンセラーは
実は過去にもあります。
野末陳平さんという方が40年ほど前に出された
『頭のいい税金の本』というタイトルの本なのですが、
それ以来、税金の本からミリオンは出ていません。

そうなんですか!?
40年前というと・・・
昭和50年代ということになりますが・・・

ちょっと、遠い目をしないで(笑)

手元のデータによると
『頭のいい税金の本』は
1978年のベストセラーランキングの
第2位にランクインしています。

ちなみに同じ年の第1位は
ガルブレイスの『不確実性の時代』で、
国内では1978年2月の発売から版を重ね
1年で40万部を超えるなど、
当時としても桁外れの売り上げを残した
新刊でした。

おー。

出版界の総売り上げ額が1兆円を超えたのが
1976年ごろと言われていますが、
それ以前は年率10%以上
2桁成長を続けていたようです。

1978年の出版界の成長率は7.8%
そんな中あらわれた本が
『頭のいい税金の本』だったのです。

ランキングトップの顔ぶれも成長率も
いまでは考えられませんね。(笑)

しかし、当時は、経済の先行きが不透明となり、失業者が増加。
窓際族という言葉に代表されるように、
日本の高度成長を支えてきた中高年層の受難時代が始まり・・・
といった社会状況だったようですが、
何か現代の世相と重なるようでもありますね。

うんうん、なるほど。

今日、最初に、山田さんが作家としてのお仕事はもちろん、
本業の税理士業を頑張っている、とお聞きしましたが、
次に狙うミリオンにもつながっていたのですね。

山田さんの新しい時代のための税金の本、
本当に楽しみにしています!!

はい、Numzonさんも頑張ってください。

第一部・完

P.S.
他にもアニメの話題などで盛り上がりましたが、それはまた別の機会に取り上げられたらと思います。
岩田(記)

2014.11.18  第1回 100%を目指さない余裕が、ミリオンを作る? 2014.12.10  第2回 本も会計事務所も、まだないものを世に送り出す 2015.01.07  第3回 次に狙うミリオンヒットは、「税金」の世界がテーマ?
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