プロフィール

都内某所にあるモバイル・IT専門のブティックコンサル経営。
3D CADのプログラマーとしてIT業界に入ってから
20年以上のキャリアを持つ、練馬在住38歳。
趣味は世界に100万種はいるといわれる昆虫の観察・採集と
歴史ゲームに登場する数千人の武将データの吟味・熟読。

著書など

・『Numzon』
2014.11.18  第1回 大手コンサルもブティックも、苦しいのは同じ。 2014.12.10  第2回 インテンシブな勉強だけが、コンサルタントをつくる。 2014.01.07  第3回 コンサルタントのキャリアとお金にまつわる誤解?

コンサルタントのキャリアとお金にまつわる誤解?

Numzon運営 土生修平 Numzon運営 サリー

コンサルティングは巨大産業。

H社長がもっとも得意ではないという
お金の話をきいてもいいですか?

はい。

まずですがコンサルタント市場の規模は
どのぐらいなのでしょうか?
いわゆる経営コンサルタントから
業種の数だけある◯◯コンサルタントまで、
コンサルタントがかかわらない領域は
ないのではと思うほど一般化したように感じますが。

そうですね。◯◯コンサルタントを除く
いわゆる経営コンサルタントの領域は
日本においては現時点で2700〜3200億円ほど
あると言われています。
IDCの推計によると、
今後、2018年に向けても、コンサルティング市場は
右肩上がりの成長が続く見通しとされていますね。

はい。

あまり、驚きませんね?

日々のNumzon運営で大きな数字には
慣れっこになっているのかもしれません。(笑)
コンサルティングといえば米国が本場だと思いますが、
米国ではどのぐらいなのでしょうか?

米国の推定市場規模は10兆円ほどと言われていますね。
これにはいわゆる経営コンサルタントの領域以外の数字も
多少は含まれているかもしれません。

すごい!
国内のコンビニ市場がちょうど10兆円なんです。
日本が40年かけて育てたコンビニ5万店が生み出す
市場と同じなんて、本場米国の厚みを感じます。

確かに歴史は感じますね。
マッキンゼーもブーズ・アレンも、
戦前から続くコンサルティング・ファームの老舗で、
100年の歴史があります。

そうなんですね!

トップファームの収益(売り上げ)については、
マッキンゼーは53億ドル
BCGは31億ドル
ベイン・アンド・カンパニーは21億ドル
という数字もありますね。
マッキンゼーに至っては、
年間売り上げ75億ドルとの数字もあります。
この3社を合わせると軽く1兆円超えなので、
裾野の広がりを考えると相当な規模感になりそうです。

コンサルタント市場の規模について、
国内に話を戻すと、3000億円ですよね。
米国では収益力にかけてはマッキンゼーが圧倒的な存在ですが、
国内ではBCGがダントツトップで
マッキンゼーの2倍ぐらいの売り上げ規模はある
と言われています。

なるほど。

プレゼンの値段。依頼できる会社の条件。

ところで、コンサルタントにプレゼンを1件任せると
いくら掛かると思いますか?

うーん、わかりません。
500万円ぐらいでしょうか??

いいえ、その10倍以上の
7000万円かかると言われています。

そうなんですか?

計算を簡単にするために・・・
プレゼン1件当たりの料金を1億円とおくと、
日本で1年間に3000件ほどの案件が
動いていることになります。

はい。

この数字、何か思い出しませんか?

ええと・・・なんでしょうか?

国内の上場会社の数と同じぐらいの件数なんです。
現在、約3500社ですね。

あぁ、そうですね。

地方の会社は除くとして・・・
東京の千代田区に本社を置く上場会社の数は、654社
おおよそこのあたりの企業が
コンサルティング会社の利用層と言われていますね。
堀紘一さんも売り上げが10億円に満たない企業が
億単位ものお金を出すのはあきらかにいびつ
と言っていますね。

そうなんですね。

マッキンゼーは米国フォーチュン1000の
3分の2を顧客としているという数字もあります。
とにかく、コンサルティングが大企業の利用する
サービスだということは間違いないです。

なるほど。
あの、プレゼンを1件任せると
7000万円かかるという話がありましたが、
内訳はどうなっているのでしょう?

戦略コンサルティングの領域では
1ヶ月2000〜3000万円が相場と言われています。
通常、案件一つにつき3ヶ月のパッケージとして
提供することが多いので。
相場×期間で最低でも7000万円という計算になります。

最低でも、ですか!
1ヶ月20日稼働として、1日稼働しただけで
100万円というのは、衝撃です。
何にそんなにコストがかかるのでしょうか??

コンサルティング会社の生命線。人材と人件費と稼ぎ。

やはりコストの大部分は人件費です。
その他にも事務所の賃料や教育費用など
コンサルティング会社の運営には
さまざまな経費がかかってきますが、
人件費こそ、コストの本丸と言えます。
例えば、外部単価ベースですが、
パートナークラスの時給は
8〜10万円ぐらいが相場と言われています。

ちなみにトップファームにおける
コンサルタントの平均年収は
おいくらぐらいなんでしょうか?

世界有数のコンサルティング会社のマッキンゼーの
所属コンサルタントの平均年収は
1000万〜1200万円とも言われています。

手取り月収にすると75万円ほど・・・
かなりの高給取りであると言えそうですね。

でも、最近のデータでは
マッキンゼーのコンサルタント職の
初任給は550万円とも言われており、
必ずしも高給取りとは言えないようですね。
新卒でアナリスト職についた場合は、
450万円だそうです。
いずれにしても、高給ではないですよね。

新卒にしては十分すぎるぐらいと思いますが・・・
その心は?? 。

そもそも彼らは優秀層のなかでも
ごく一部のエリートなのだから、
それぐらいもらって当然だし、
実際に通常の新卒とは比較にならないぐらい
インテンシブな仕事を要求されるのだから、
逆に少ないぐらいではと感じますね。

マッキンゼーの消費財専門のコンサルタント某氏は、
子どものころからの憧れだった
本格レーシングカーを4台も購入・維持するほどの
稼ぎがあるようですが・・・

4台はすごい(笑)

もっともレーシングカーどころではない
高給で事業会社にヘッドハントされるコンサルタントもいます。
例えば、大前研一さんはマッキンゼー時代の同僚で
当時苦境に陥っていたIBMに移籍し見事復活させた
ルイス・ガースナー氏クラスのコンサルタントを
引き抜こうと思ったら、移籍料は100億円
くだらないと評価しています。

高給ゆえの悩み。

大リーグやサッカーのスーパースター選手並みですね。
高給であることで
コンサルタントがプレッシャーを
感じたりすることはありませんか?

もちろん、あると思います。
他のコンサルタントの気持ちは
想像するしかありませんが・・・

H社長ご自身はどうですか?

私に限って言えば、以前の仕事で
「Hさんは高いんだから(もっと成果出せ)」
とお客様から真顔で言われたときは、
「恐ろしい仕事を選んでしまった」
と顔面蒼白になったことを
いまでも鮮明に覚えています。

それは厳しい一言をいただきましたね。(笑)

レベルが違いすぎて大変恐れ多いのですが、
堀紘一さんも、BCG当時、クライアントである
ユニ・チャームの高原(慶一朗)社長から
「私は堀さんに7億払った」
と会う人ごとに言われ続けたそうで・・・

みなさん、もう少し発言を自重しましょう。(笑)

コンサルティング会社の経営指標。

ちなみに私はまったくと言っていいほど
高給ともレーシングカーとも
無縁な生き方をしていますからね。
このことだけは明確にさせてください。(笑)

はいはい、わかってます。(笑)
でも、優秀なコンサルタントを大勢率いて
顧客企業に対し継続的に貢献していくためには
人件費を含め事務所の切り盛りが大変そうですね。

おっしゃるとおり。
そこで、コンサルティング会社では
稼働率というものを計算し、
継続的にモニタリングすることで、
経営の安定化を図っています。

稼働率について、詳しく教えてください。

はい。
稼働率の計算はコンサルティング業界独特のものとされ、
年間稼働時間を2080時間
(1日8時間×週5日×年52週)
を分母に、
顧客に請求できる時間を分子に置いて、
稼働率を計算します。
当然ですが、稼働率が高いほど、
より効率のよい事務所経営ができている
ということになります。

何パーセントぐらいだと
ちょうどよいのでしょうか?

ちょうどよいかどうかはわかりませんが、
堀紘一さんが、BCGで東京事務所を
任されることになったときに、
「好きなようにやればいいが、65%の稼働率を残せ」
と北米の事務所の同僚に言われたそうです。

65%の稼働率は低い?

いいえ、とんでもない。
年間稼働時間2080時間には
盆正月も含まれているので、
実稼働ベースでは80%ぐらいに相当します。
実際には2080時間以外にも管理稼働が発生するので、
65%という数字はフル稼働に近いイメージです。

なるほど。
H社長の会社では何パーセントですか?

当然ですが非公開です。(笑)
あの、これまで紹介したものに限らず、
なぜこのような内部的な数字が書籍や
テレビなどを通じて外に出てくるのか、
情報管理体制は一体どうなっているのか、
逆に心配になるところではあります。

本物のコンサルタントとは? H社長が再定義??

確かに、これまで気が付きませんでしたが、
そうですね。(笑)
でも、クライアント側も
負担が大きいということでもありますよね。
なぜ、このような巨額の出費が
社内的に正当化されるのでしょうか?
決裁する人は不安になりませんか?

一言でいえば、ビジネスインパクトに尽きると思います。
戦略変更により時価総額がになる、
かけた費用の100倍のコストが削減できた、
売り上げそのものが数倍になる、
などなどあげていけばきりがありませんが、
費用対効果が高いから、
選ばれ続けるのだと思っています。

なるほど。
きちんと数字で図れる効果が得られる
という点が、決裁する経営層にとっても
わかりやすいのでしょうね。

堀紘一さんは10倍ルールというものを
自らに課していたそうですね。
かかったコンサルティング料の
10倍の利益増か、コスト削減を実現するというものです。

数字で目標を決めると、言い訳もできませんし、
信頼できるように感じます。

とても大切なことですね。
私は成果やコミットメントを数字で約束できるかどうかを、
本物のコンサルタントか、そうでないかの判断基準に
してもよいのではないかと思っています。
よく、大物コンサルタント諸氏などが
戦略コンサルタントだけがコンサルタントで、
それ以外はカギ括弧付きのコンサルタントだ
というような発言をするのを耳にしますが、
そろそろそういうレッテル貼りはやめたほうが
よいのではないでしょうか。

なるほど。
フラワーコンサルタントも
建設コンサルタントも、
数字で約束できるコンサルタントは、
本物のコンサルタントということですね。
H社長の数字へのこだわりと自由な考え方には
とても共感できます。

はい。ありがとうございます。

今回は「お金」にまつわる数字について
たくさん教えていただきましたが、
今度はコンサルタントが仕事の「現場」で
大事にしている数字について
お話を伺えませんか?

はい、どうぞ。

>>つづきます

2014.11.18  第1回 大手コンサルもブティックも、苦しいのは同じ。 2014.12.10  第2回 インテンシブな勉強だけが、コンサルタントをつくる。 2014.01.07  第3回 コンサルタントのキャリアとお金にまつわる誤解?
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