プロフィール

株式会社bitFlyer 取締役CTO 小宮山峰史

1971年生まれ。早稲田理工学部卒業後大学、1995年株式会社コナミ入社。
ソニー・コンピュータエンタテインメントを経てゴールドマン・サックス証券に入社し、
決済システムを構築する。
タイムインターメディアCTO就任後、数十の業務システムの設計を手がける。
金融、クラウド技術、暗号技術、ミッションクリティカルなシステムを得意としている。
ビットコインの将来性に惹かれ2014年1月株式会社bitFlyerを共同設立。
ビットコイン総合プラットフォーム「bitFlyer」開発の根幹を担う。
好きな言語は数学、Haskell。得意な言語はC#、母国語Perl。

2016.05.16 第1回 ビットコインの躍進を生んだ一つのアイデアと無数の開発者の行動力 2016.05.16 第2回 ビットコインのオープンソースソフトウェアは機能がプアー?? 2016.05.23 第3回 ビットコイン、本当に理解してますか?誰が仕様を決めている? 2016.05.23 第4回 進化を続けるビットコインのセキュリティとスケーラビリティ。 2016.05.23 最終回 ソフトウェアも通貨もプログラマーが主役。

ビットコイン躍進を生んだ一つのアイデアと無数の開発者の行動力。

bitFlyer取締役CTO 小宮山峰史 ブティックコンサル H社長 Numzon運営 岩野 Numzon運営 千秋

第1回 ビットコイン躍進を生んだ一つのアイデアと
無数の開発者の行動力。

きょうは、お忙しい中
ありがとうございます。

いや、とりあえず「なつかしくて」(笑)
※ H社長・千秋とは15年前からの知り合い。
地元が近いこともありいまでも
たまに街でばったりということもあるという。

ほんとうに、お久しぶりですね。

はじめまして、Numzon運営の岩野です。
きょうはどうぞよろしくお願いいたします。
あの、さっそく本題なのですが、
いまフィンテックと呼ばれるビジネス領域が
突然注目されはじめていますね。
なかでもビットコインは最有力視されていますが、
とにかく謎めいた存在で分からないことが多い
という印象を受けています。
そもそもビットコインも最初はいわゆる”ベイパーウェア”で
考え方や仕組みなどは論文しかなかったそうですね。

ビットコインは中本哲史の論文が出てから
実装が世に出るまで、1年くらいはかかっています。

そんなにかかるんですか?

それはたいていの技術はそうじゃないかな。
おそらくどんなものでも
ペーパー (仕様書や設計書など)が出てから完成まで
オープンソースによる開発の場合は特にそう。
企業が計画をもってやっているわけではなく
有志だけでやっている以上
1年ぐらいはかかるものでしょう。

オープンソースですか。
そのときには複数のコミュニティ間で
開発競争のようなことは起きたのでしょうか?

むしろオープンソースのものはペーパーなんか出さずに
いきなり作り始めると思うんです。

いまGitHubで公開されているビットコインの
ソフトウェアがありますよね?
これが開発者たちの間でリファレンス的な存在に
なっているということですが・・・

そうですね、bitcoindがリファレンスになり
さまざまな後発のコインが作られている。
でもリファレンスなんて立派なものじゃなく単なる丸コピ
も多いんじゃないかな?

そうなんですか。(笑)

いま、世界で700個ぐらい
仮想通貨が
あると思うのだけれど、それらはほぼすべて
bitcoindの直系の子孫なのではと思っています。

直系の子孫ですか?

はい。
例えば、Litecoin(ライトコイン)というものが
bitcoindの最初のコピーだったと思うのだけれど
これはビットコインの採掘に使われる
ハッシュアルゴリズムを
専用ASICやGPUで
簡単に計算できてしまうSHA256から
CPUじゃないと
有利に計算することができない
Scryptに変えたものです。

それなら一般ユーザーにとっても
ぐんとハードルが下がりますね。

そう、それがLitecoinのはじまりです。
ほかにもまずはbitcoindをコピーしてきて
ハッシュ関数を書き換えて・・・
というものがいろいろ出てきているのです。

なるほど。
ブラウザに例えるなら
IEがあってSafariがあって
実装が複数あっても参照する仕様は一つ
というようにはなっていないと・・・

そうだね
ブラウザの場合は仕様が同じだけどアルトコインは
仕様が少しは違うから。

それでもやはりbitcoindが
リファレンス実装になっている?

まあ、そうですね。
それほど市場が大きくないこともあるのですが、
700個のコインを700社がつくっているとか
そんな状況ではなくて、
700個のうち8割ぐらいは
個人が作っていると思うんです。
個人は、一から作るヒマはない。
だから、ダウンロードしてきて改変する。

あの、小宮山さんはbitFlyerでは一から作ったのですか?

はい。
わたしたちは、基本、すべてをスクラッチから作っています。

プロトコルも、P2P通信も、暗号技術も、ですか?

そうそう、もちろんもちろん(笑)

全てを・・・

プロトコルは、当然ですが公開されています。
bitcoindをそのまま使うと、
自分たちが理解しないまま
使うだけになってしまう恐れがある。
セキュリティも考慮する必要があるし
bitFlyerでは単純に
一から作り直していくことに決めました。

何か他のソフトウェアのフォークということではなく?

違います、もう全然。

ほんとうにスクラッチから作られている、と・・・

世の中にはすでにスクラッチから作られている
オープンソースもあります。
例えば、Javaバージョンのbitcoindクローンなどもそう。

はい。

でも、Javaは誰もリファレンスには使いたくないだろうから。(笑)

ご意見としてお伺いしました。(笑)

ただ”ビットコイン”をやるんだったら、
なにもスクラッチから作って理解する必要はないと思う。
ビットコインという
一つのブロックチェーンの応用というか
バランスされたものがあって、
すでにチューニング済みの
固定の設定値をもっている。
例えば、10分1ブロックで、いまのマイニング報酬は25BTCで
ブロックサイズ1MB・・・のように。

はい。

で、そのハッシュ関数はSHA256で、
暗号は楕円曲線で、
すべてのパラメータは設定済みで、
こういったことはすでに運用されて検証されてるんだから
“ビットコイン”をやるなら詳細は知らなくていい。

なるほど。
またまた例え話で恐縮ですが、
ビットコインサービスを提供するときに・・・
ウェブサービスを提供するために
ウェブブラウザまで作ってしまう
というような状況にもなりうる?

まあそうだね。
ただbitcoindだけでやると
あまりにプアーで
「サービス」をするには無理があるので
なにかフロントエンドが必要になってくる。
で、フロントエンドをPerlとかで作ると(笑)
でも、IISを作り直しますとか
IEを作り直しますとか、
そこまではやらなくてもビットコインサービスはできます。

これはノーコメントかもしれませんが
スクラッチからのbitcoindの開発には
どれくらいの時間とコストがかかるのでしょう?

まあ、いろいろだとは思うけれど
1年あればできるとは思う。
我々も会社をはじめてから
半年以内にはできてますので。

1年あればできると。

ま、1ヶ月とかだと無理でしょう。
たぶん、1ヶ月ではさすがに理解できないと思う。
天才開発者ならいいのかもしれないけど。(笑)

>>つづきます

2016.05.16 第1回 ビットコインの躍進を生んだ一つのアイデアと無数の開発者の行動力 2016.05.16 第2回 ビットコインのオープンソースソフトウェアは機能がプアー?? 2016.05.23 第3回 ビットコイン、本当に理解してますか?誰が仕様を決めている? 2016.05.23 第4回 進化を続けるビットコインのセキュリティとスケーラビリティ。 2016.05.23 最終回 ソフトウェアも通貨もプログラマーが主役。
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